calando

 ~カランド

· ひとり言

クラシック音楽などで使われる「calando(カランド)」は、発想記号の中の1つです。

イタリアでは「低下、緩和」などの意味で日常的に使われるカランド(caland)。

音楽用語としてのcalandoは…

次第に弱く。次第にゆっくり 次第に…?

音楽の世界にも明るく楽しいだけでなく時として悲しみや絶望を表現することがあります。

例えば・・

夕日が沈む様子…まさにcalandoです。

calandoは「音量と速度を減らす」と捉えられます。

ここには、消えるものに対する愛情が芽生え、言葉では言い尽くせない感動が生まれます。

これを音楽で表現するために「次第に音量とtempoを落としていく」calandoを使うのです。心情を表す記号と覚えておきましょう。

他に‥

Morendo:

だんだん弱くしながらだんだん遅く 消えるように (rit. + dim.)「死に絶えていくように」、「生きる力をすべて消耗して命が消えていく」と言うニュアンス。「徐々に少しずつ生命力が衰えていき、衰弱して死に至る」と言う感覚。

Smorzando:

だんだん弱くしながらだんだん遅く 消えてなくなるように。「弱める」、「減ずる」、「和らげる」と言う意味の動詞 から生まれている。Morendoと比べると、Smorzandoの方が比較的穏やかで柔らかなイメージ

Perdendosi:

だんだん遅くしながらだんだん弱く 消えるように (rit. + dim.)「前にあったものがなくなる。」という意味。音楽的には音自体が無くなっていくような雰囲気。物理的に音量や速度だけでは不十分。表情や感情、それらが組み合わさった音楽そのものかも知れない。あくまでも「無くなっていく」ようなニュアンスが必要。

どれも同じように だんだん遅くしながらだんだん弱くです。でもニュアンスが大きく違います。

太陽が沈む 衰弱して死に至る 抑える 無くなっていく

作曲者の想いを知ることで、より一層曲への深さや

素晴らしさを知ることができそうですね

 

たくさんの音楽用語に深い意味があります。全部を覚えられなくても今直面している音楽用語に興味を持ってみることで深い意味をもった演奏ができるかもしれないですね。